みだれめも・出納日記 第7回 (11年10月)

水鏡子


10月1日
 9月の総支出:148,494円。初の10万円台達成。但し別枠でリフォーム代金約400万円というのがある。税金、保険掛金等の支出が何もなかったことが大きい。台所用品は水屋をはじめ10月にかなりの出費を検討しているが、これはリフォーム代に含めることにする。
 9月の購入書籍:118冊 30,336円。平均単価が260円と高い。購入冊数が少なくSF大会でファンジンを買いこんだりしたため。今年累計1,460冊。

10月第1週
 本と台所用品の移動と『円環少女』の読み返しと長谷年表の作成。『ランスクエスト』は一応クリヤーしたのだけれど、2順目の行き方がよくわからなくてまちがって初期化してしまう。けっこうショックでぼちぼちの再稼働。
 気持的にいちばん動きたいのは本の移動作業、いちばん焦っているのは年表作成作業。気散じてすべての作業が中途半端。
 本の移動に関しては、細部の青写真がまだ固まっていない。3週間後にリフォームお披露目会を兼ねたゲーム会を予定しており、それまでに目途を立てる予定である。

 年表の方はもっと大変で、京フェスがとうとう今週末になってしまった。木曜に仕上げて、金曜に印刷、土曜日使用の予定であるのに、さぼりまくってかなりいいかげん。
 先週、未完成年表を長谷氏に送って個人データの書込み依頼をした回答が火曜日に届く。こちらがお願いしていた以上の綿密な書込みがなされている。ぼくがネットで見つけられず空白で行くつもりだった自作コメント欄も全作あらたに埋めていただき、鑑賞に堪えるものになった。えらいこっちゃ。『ランスクエスト』で時間を潰している場合じゃない。
 印刷は一色刷りなので、長谷氏の記入した赤字部分を生かすため活字をでかくしたりしたが、印刷物はやはり見づらい。9ポ活字で48%縮尺し、しかもデータ直でなく作成原稿からの印刷で細部がだいぶん潰れてしまった。老眼泣かせの資料になった。
 長谷氏の了解を得て、件の年表を添付する。赤字部分が赤字になって値打ちはアップ。(なお、当日分より少しデータの補完をした。それでも結局時間切れで本来埋めるべき欄がかなり埋まっていない。完璧には程遠いので、興味があれば各自適当に埋めてください。)

*年譜はGoogleDocsへアップしていましたが、赤字の再現性が正しくないため、SkyDiveへアップしなおしました。(11/22 大野万紀)

 年表を作ったおかげで、インタビューは楽だった。「あれはインタビューとは言わない。対談という」とか「枕で8割の時間を取った」とか「マイクの扱いが悪かった」とかいろいろ指摘を受けた。『あなたのための物語』への言及がほとんどなかった点については、今回のは『円環少女』完結記念企画と考えていたため。新作の話にまるでたどりつけなかったので、大野万紀とコマを取り替えてもらって合宿企画で続きをやる。
 合宿での延長戦は参加者の質疑が活発で、濃い内容が話された。
 トイレにいくため2階のたむろ場のところに行くと小林泰三、津原泰水両氏を中心にした雑談の輪。いろいろ危険な話を聞いていたが、軽い中座のつもりで、そのすぐ横の麻雀部屋を覗きにいき、そのまま半荘2回。
 翌日は、細美、菊地家ほかと喫茶店でだらだらし、昼食を食べて別れる。まだ全部を読んでいないという大森望に帰りの新幹線用に『円環少女』を数冊渡す。

 次週は家の整理だ。

10月第2週
 大仕事がおおまかに3つ。これに来週の土曜日までに目途をつけなければならない。

 上のふたつはともかくBはなんのことかと思われようが、ほとんど来客のない一人暮らしの家である。正確にはここ2年くらいの間に土間より上に上がった人間はリフォーム業者を覗くとお坊さんがひとりだけ。そこで1泊のゲーム会を開くのだ。ついでなので、ほかにも一緒に本棚を見にくる人も誘っている。

 具体的には次のような内容。

 それから@本の大移動。
 前の書庫を小説部屋にする。文庫棚を大幅に拡充し、収納空間満杯で吐き出していたコバルト文庫とノベルズ本が復帰の予定。日本作家単行本は入らない。2階書架。新設書架はSFマガジンを始めとした雑誌類、世界の名著などの自然・人文社会科学系、ブックガイド等のレファレンス本など小説以外を移動させる。両面7連の新空間だけど、かさばる本が多いので、収納容量は1万冊を割り込みそう。うち一面をダブリ本の棚にする。なんたる贅沢。700冊くらい並ぶ。
 画集や、ヴィジュアル系の雑誌など大型本がいっぱいあって、内容別に区分しながら棚の高さを調整するのは、楽しいけれどかなりたいへん。

 新しい水屋を買おうとホームセンターを回る。思いのほか高い。種類自体が少なくて、いまは水屋よりキッチンボードを置くのが普通らしい。7、8万円するものが定番らしい。
 僕の場合は活用よりも収納が目的なのでキッチンボードはかえって不便。
 で、安く上げるため組み立て式の食器棚3点セットを4万円弱で購入する。
 店で見たときは正面から見てわりと豪華そうだったのだけど、届いたセットを広げてみると、背板その他がベニヤ、合板の安っぽい材質。かなり貧相。間違えたかなと反省する。
一つ目の組み立てで填め込み方を間違えて無理押しして底板を踏み抜く。(填め込み方を間違えていたのはうまくいかなかった理由を調べてはじめてわかった)。1万円がパーになる。ショックで呆然として何もできなくなる。一晩寝て、気力を立て直していろいろ調べるとごまかしが可能だとわかる。なんとかやっつけ仕事で完成させる。都合1日半かかる。残ってはいけない部品がたくさん残る、脆弱な代物になり、あまり重たい食器類は置けないものになったが、そこに気をつければなんとか使い物になりそうだ。
 一つ目の失敗を糧にすると、対になる2つ目は2時間でしっかりできた。まる1日の無駄遣い。

 教訓:取説はちゃんと読むこと。

10月第3週
 食器類の大移動。引出しひとつが千本の割箸で埋め尽くされる。旧収納部屋が書架に変わってしまったせいで、物置棚が半減している。箱詰めしたもろもろがまだ大量に箱から出せない。
 ふとん十数枚を干す。二日かかる。
 大掃除。こたつその他のセット。
 結構大作業。本が読めない。

 週末ゲーム会。参加者:細美親子、菊地親子。計4人。書架を見に来る予定だった堺、代島両氏は不参加に。
 せっかくコタツを整備したのに、とんでもなく暑い。こたつぶとんを取り外す。
 ゲーム会はほとんどカタン。勝率5割超。
 生活技術指導を受ける。(風呂の沸かし方。洗濯機の使い方、食器の扱い方その他)
 ダブリ本数十冊を持ち帰ってもらう。

10月第4週
 本の移動作業は7割がた完了。小説用書庫はほぼ完了。すきまだらけの文庫本棚に感動する。最初にこの書庫を作った時、10年安心と思っていたのが3年で瓦解したけれど、今度は5年は確実に持ちこたえるはずだ。新書架収納分はほぼ移動させたのだが、どう配置するか、まだ完全には決めかねている。

 例年よりひと月以上遅れているベストSF選びのための積み残し本の消化にやっと入る。
 新刊をたくさん買う。今年読んだ300冊はほとんどが積み上がったラノベの在庫処理。
 近隣で「ブックオフ」と並ぶ郊外型古書店に「古本市場」という店があって、ここはコバルト文庫、X文庫が3冊105円になるのだが、なぜか文庫本の105円コーナーを設定しない店だった。それがこの週105円文庫本コーナーを設置し、ブックオフと同じような体制になった。大喜びで30冊ほど買い込むが、あいかわらずほとんどがラノベである。

 例会に行く。
 8月に大阪に転勤してきた代島くんが、突然宮崎に転勤が決まったという。着任は11月3日だという。驚く。先週突然降ってわいたという。うちに来れなくなったのはそのためだったらしい。ほとんど毎週例会参加してくれていただけにひどく残念だ。調べたところでは宮崎の書店にはSFマガジンが入荷していないようだとのこと。大変である。


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