みだれめも・出納日記 12年12月

水鏡子


〇11月の結果
支出計:162,853円。前年11月111,511円
入手書籍:147冊 21,316円。累計2,040冊。前年累計1,764冊
通算株成績(含み損益+売買損益):約280万円の益

 支出額が増える。前年比6万円増。前年11月が10万円目標の節約月間だったことと、調子に乗ってパチで8万円近く負けたため。前月の勝ちが吹き飛ぶ。
 食費はひと月1,911円に収まった。頑張れば、1,000円でもなんとかなったようである。
 先月の追い込み読書で読書力の劣化を痛切に反省する。

12月第1週
 先月の反動で12月に入ると2日で食べ物を2,500円買い込む。

 日曜日。SFベストの投票がやっと終わって、出納日記をTHATTAに送る。昼から神戸海文堂の古本即売会に行く。1冊300円で岡田斗志夫、山本弘らの座談会集(音楽専科社)を、へえこんなの出てたんだと6冊まとめて購入。面白そうな本が大量にあって300円縛りで10冊ほど買う。上山安敏『神話と科学』、長島伸一『世紀末までの大英帝国』、ラマール・セルデン『現代の文学批評』、シドニー・ポラード『進歩の思想』。シュテファン・コッペルカム『幻想のオリエント』など。天国像の変遷を検証したコリーン・マクダネル&バーンハード・ラング『天国の歴史』という本が1,000円であって、迷った末に大枚払う。この本を買ったために『SFの眼』500円の購入を断念。その後三宮のブックオフ2軒回って15冊。イエローサブマリンで340円のごみフィギュアを2袋。大量の荷物を抱えて例会に行く。

 家に帰って「本の雑誌」の原稿を書く。

 小田雅久仁『本にだって雄と雌があります』。傑作。本には雄本と雌本があって相性のいい2冊を棚に並べていると子どもが生まれる。ぱたぱたと飛びまわることができるその本を「幻書」とか「混書」とか云う。この原書に憑かれた深井與次郎という男の人生とその係累をめぐる物語をその孫が自分の息子に語り聞かせる体裁をとる。ところどころ薄っぺらいところもあるけど、味の濃い文章で欠点も塗り潰していく。ここ数年と同様の国産SFの充実ぶりに視界を狭めてしまったようで、ベストSF選びのなかでも本書をファンタジイとして別枠扱いにとどめたのだけど、海外編でラファティが出ていたら、日本編ではこの本がトップに鎮座した可能性がある。どうもラファティがいるいないで自分の中のSFの範疇がゆらぐみたいだ。
 読みながら思った。デビュー作『増大派に告ぐ』と、うちの本棚で買ったまま40年ほこりをかぶっているマルケスの有名作品を読まないといけないのかな。

 『はぐれ勇者の鬼畜美学(1)』『魔王学校に俺だけ勇者(1)(3)』読む。読んで損はないけれど得もなし。

12月第2週
 週末は神戸大SF研の忘年会。海文堂古本即売会がまだ続いているので6冊ほど買い増す。そのあとブックオフに。前回断念した『SFの眼』、まだ残っていたので一応購入。その他、ジンメル『宗教の社会学』、松岡利次編『ケルトの聖書物語』、石田友雄『ユダヤ教史』、吉村貞次『ゲルマン神話』など。神話本はアラビアンナイトなどと合わせてフィクション海外古典の棚に、エリアーデ他の宗教学本は社会学人類学系の棚に置いていたのだけど量が増えてきたので、合わせて宗教神話本棚を作った方がいいかもしれない。ニューエイジ本は含めない。
 恒例の徹カラは若い衆の歌う歌がほとんどわからない。アニソンさえ少なくなってヴォーカロイドが幅をきかせている。歌詞は軒並み過激である。いくつか覚えようか。

 『岳飛伝(3)』『ご主人様は山猫姫(11)』『死神姫の再婚(17)』を読む。それぞれ読み応えあり。とくに『岳飛伝』。このシリーズの凄さは、『楊令伝』を読むと『水滸伝』は『楊令伝』を書くためにあったと思わされ、『岳飛伝』を読むと、『楊令伝』は『岳飛伝』を書くためにあったのではないかとさえ思わせるところ。

12月第3週
 日経平均は上げ下げを繰り返すが、ぼくの持ち株は12月に入って一貫して下落中。とくに任天堂の下げが大きく、100万あった含み益がついにマイナスになる。3月権利落ち分についてのむしろ買いのチャンスと考えたいのだが、拾いたい株は意外と下がらない。任天堂を買い戻し。

 水曜日。この日は日経平均が上げたので、12月初のパチ屋に。あまり勝てる気がしなかったのだが案の定大負け。AKBリーチがかかったのに空振りする。とうぶんやめるべきだろう。
 不在者投票に行く。生まれてはじめて出口調査に遭う。正直に答え、しまった嘘八百書いたらよかったと後でちょっと悔む。学生時代、世論調査の訪問調査の方ではじめてあたったアンケート調査に大喜びして、応接間にあげてもらってケーキとコーヒーを出してくれ、家族全員横に並べて質問ごとに蘊蓄を述べてくれた80過ぎの矍鑠としたおじいさんが強烈に印象に残っている。基本10〜15分で終わるのがその家だけで1時間近くかかったけれど、あれだけ喜んでくれると気持ちよかった。

 金曜日。関西大SF研OB系の忘年会。直前に回ったブックオフでリック・ヤンシーの児童本『アルフレッド・クロップの奇妙な冒険』を入手。今回所用で欠席したこの本を訳している関大OBの話で盛りあがる。
 『ミスマルカ興国物語X(エックス)』『戦闘城塞マスラヲ(1)〜(5)』『聖断罪ドロシー(2)』『五年二組の吸血鬼』『突然騎士になってムフフな俺がいる(1)(2)』を読む。
 『ミスマルカ興国物語X(エックス)』は『X』巻と『XI巻の間をつなぐ番外編。ばかばかしさと筋の通し方がツボにはまって林トモアキまとめ読みにとりかかる。

12月第4週
 週末2泊3日のゲーム会。今回のゲーム会には初顔が何人かくる模様。4か月ぶりのゲーム会に合わせて4カ月ぶりの部屋の掃除にとりかかる。エアコンと衣服でしのいできたので家の中は基本的にまだ初秋仕様。こたつを出すにしても、その前に畳の上に積み重なった、大量の本、ゲーム、販促グッズ、ちらし、レジ袋、領収書類などなどを分類整理しないといけない。掃除自体はルンバにお任せするにしろ、ルンバ稼働環境を作り出すのがひと仕事。電気こたつは3つあるのに、コードがひとつもみつからない。どこかにまとめてしまいこんだらしい。慌てて3本買いに行く。

 自民党の大勝で株価が連日大幅上昇。日経平均1万円を突破する。上っているのは、輸出関連、建設不動産関連で、ぼくの抱えている株はじり高止まりで恩恵は少ない。負けは消えたけど、まだ11月末の含み益まで回復しない。12月1月権利確定分の買いは断念。モンハン4の発売延期で大幅下落のカプコンを購入。やばいなあ。ゲーム株の比率が増加している。念のためにパチ屋に行くがやっぱり負ける。

 上栖綴人『はぐれ勇者の鬼畜美学(2)〜(10)』異世界で勇者をして帰ってきた大量の異能者が世界を支配している地球。世界の秩序と管理を進める兄貴と自由と混乱を求める父親の世界をめぐる争いに、女を泣かせないことを行動美学とする主人公が転移していた世界の魔王の娘や魔導師の姫様その他の美少女を集めて割って入る王道物エロゲ風味。しっかりと読ませるが特異性に欠け、5巻目あたりからエロ風味が大幅上昇。『お・り・が・み』読み出す。

 ゲーム会は細美親子、菊地親子、荒川ジュニアのレギュラーに、カオルねえさん、藤本君、それに細美のミステリ読書会参加のおねえさんが持っているシャーロック・ホームズのゲームをやりに、それぞれ別々の1日だけくる。藤本君は実家に平行移動書庫の設置を計画、その情報収集が目的とのこと。
 酒がない家なので、酒飲みのおばさんたちにワインとビールの買い出しを命じられ、麒麟淡麗を買って帰ったら、これはビールでないと怒られる。だから酒類には興味がないんだってば。

12月第5週
 『お・り・が・み』『レイセン』読了。林トモアキについては稿を改める。

 近藤信義『ゆらゆらと揺れる海の彼方』にとりかかる。5巻まで読了。『龍を駆る種族』を思わせる海獣を駆使して戦うエピック・ファンタジー。三国志を連想させる設定で、世界支配を目指す不敗の英雄シグルト(曹操)にジュラ(張飛)、ラシード(劉備)、ローゼンタール(関羽)らの打ち立てた小国が立ち向かう。ラノベらしからぬ詰まった字柄の文体で突き抜けたところはないがしっかりと面白い。

 株は結局上がり続けて買い増しができないままに平成12年を修了する。

 木曜日。寝過してゴミ出しに失敗じる。かなり致命的な失敗で。次のゴミ出し日は年末の変則日で12月の30日。この日は恒例の京都忘年会の2日目。その次となると年明け1月7日になるわけで、ゲーム会で出来た大量の生ゴミ燃えるゴミをまるまる2週間ため込むことになる。冬だからなんとかなると思うけど。
 週末は京都忘年会。毎年夜中にカラオケに行くのを睡眠時間がなくなるということで、今年は忘年会が始まる前の昼間に行くことになった。四条河原町のブックオフに集合し、元京都丸善ビルのカラオケに。4時間歌ってひとり1000円。昼に行くと安いんだ。その後三条のブックオフに寄ってから忘年会に。だらだら喋って、翌日は、一二月二回目の海文堂古本市があるので昼でみんなと別れて神戸に。古本市は懐かしの石森章太郎選集が1部2部とも箱入りでずらり並んでいたのだが1冊1000円なので断念。500円ならまとめ買いをしていたかも。結局1冊も買わず、あと三の宮のブックオフ2軒を回る。忘年会の行き帰りで40冊買い込む。


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