みだれめも・出納日記 13年7月

水鏡子


 7月はイヴェントというか事故みたいなもの多数。そこそこの小波乱。

〇6月の結果
支出計:218,191円。前年6月172,900円。45,291円増。
入手書籍:155冊 44,918円。累計1,515冊。前年累計1,060冊

 パチで8万円の負け。購入書籍の平均単価の急上昇は、「少年小説体系」24冊25,200円のせい。これだけで購入代金の半額を超える。
 今年の前期半年間の支出は総額で110万円で昨年より少し減。食費(会食費を除く)9万円、通信光熱水費21万円、税・保険料16万円などが純生活費。所得税・住民税は申告で6万円の還付があった。書籍購入費23万円、交通費・会食費21万円、パチ10万円といったところが趣味支出。昨年はこの段階でパチで10万円の儲けがあったので上下20万円だが、その額でエアコン、冷蔵庫、ルンバを買ったわけである。食費が2万円減って、書籍代が3万円増えている。エンゲル係数が低い。

7月1日(月)〜7月28日(日)
【トピック】
 7月1日。突然日経CNBCが視聴不能になる。今月からチャンネルが変わって基本パックから離れたとのこと。このチャンネルがないと株式状況をリアルタイムで自動取得できない。しかたがないから追加料金を払って視聴可能にする。スカパーから光TVに移ったのはパックにこのチャンネルが入っていたからなのだが。
 セキュリテイのヴァージョン変更があって移行のやりかたがよくわからなく一部機能が使用不能状態。とりあえずあやしげなサイトを覗くことを控えることにする。
 SFマカジンのお仕事をいただく。

 2日。阪急交通社の広島格安パックを払い込む。交通費込み2泊3日で19,900円。デメリットは希望の時間帯の列車指定が出来ないこと。SF大会参加の後、ホテルでゆっくり参院選挙開票速報を見て、翌月曜日は古書店めぐりを予定する。

 7日。食あたり。金曜に炊いたご飯を土曜日焼き飯にして、フライパンに置いていた残り半分を日曜日に食べた。こんなに味が濃かったっけとちょっと思ったのだけど腐っていたのですね。あとでネットで調べると白飯より焼き飯の方が腐りやすいとのこと。有名な話らしい。わざわざ傷みにくくするために加熱したつもりだったのですが。
 食べて1時間くらいで腹痛が襲い、全部吐く。これまでも年に何回か傷み物を食べて腹痛を起こしているのだが、今回は吐いても治らない。基礎体力が落ちているということなのか。どんどんひどくなる。汗が大量にでる。脱水症状が怖くて、大量に水を飲むが、飲んだものはすべて小便にならず大で出る。脱力感がどんどん増していき、20m離れたトイレに行くのに、途中の台所で一度椅子に腰を下ろすていたらく。人間ここまで動けなくなるのかと感心する。例会に行くのを断念して日曜緊急の医療機関に行くことにするが、動けないので往復タクシー。運転手が食あたりの経験者で、対処のしかたを楽しそうに教えてくれる。(その後も何人かの経験のある知り合いがぼくの食あたりを聞いて嬉しそうに語りかけてくれた。後遺症がないため深刻にならずにすむのと、経験した者しかわからない脱力感や排泄状況について気分の共有をしたくなるようだ)。診察と薬代で3,500円。タクシー代3,000円。アルカリ飲料1,000円で計7500円の想定外出費。まるまる2日寝込んで、そのあとも体調不良が2日続く。SFMの締切にけっこう焦る。

 10日。2日ほどおかゆで過ごした後運動を兼ねて歩いて30分ほどかかる外食に行く。胃が弱っているのをつい忘れ、ジョリーパスタで大盛を頼む。食べあぐねる。ばかでえ。

 14日。大阪の古書店でSF・ミステリ関係のミニ・フェアをやっていると聞いて覗きに行く。講談社の「書下ろし探偵小説全集」完全揃い(ただし函なし)を1,500円で見つける。拾う。

 20日−22日。SF大会。広島。ラノベ系統の企画を回ったせいで、あまり顔なじみと出会わず。七つくらい回ったけれど、そのうち3つが榎本秋企画。東京勢が意外と少ない。全体的に地味で木訥な雰囲気があって好感度高し。
 ホテルの近くにネットでみつけたSFミステリ系の古本屋さんがあって、SFシリーズが250円と350円、知らない評論本が500円といった手の出る値段。青木社長、大野万紀、代島くんと覗いていると、「やっぱり居た」とかいいながら彩古さんと米澤夫人がやってくる。北原、日下、まきしんじらの古本極道は今年は来ていないとのこと。ちなみに、代島くんと彩古さんはこの古本屋さん(あやかしやさんという)を昔から知っているそうだ。さすがである。彩古さんたちと一緒に晩飯を食べながら昔話に興じる。
 大会後の月曜日は、ホテルがチェックアウトのあとでも、荷物を預けて無料で自転車を貸出してくれるということで、炎天下の広島市内を30km以上走り回る。
 いや、20kmくらいの目算だったのだが、大学病院横のブックオフを覗いたあと北上したはずがなぜか海べりに辿りつく大失敗をやらかして10kmオーバー。ブックオフ3軒、古本市場1軒、フタバ図書2軒、一般古書店5軒を回って50冊買い込む。今月はもしや100冊を割り込むのではないかとひそかに期待していたのだがあえなく霧散。
 それでも5時前には片付いてしまって、帰りの新幹線が8時なので時間つぶしに、広島焼きを食べ、パチに行く。散財のつもりだったのに勝つ。旅行費用の大半を取り戻す。

 25日。いつも使っている椅子なのだけど、しばらく前から留めねじがとれてしまって、立ちあがるたびにエアが膨れてけっこう派手に座席がはねあがる。めんどくさいからそのままにしていたのだけど、この日、宅急便が届いたので慌てて玄関口に向かったところ、大きな音がする。ふりかえると椅子が思い切りパソコンディスクをかちあげて、モニターがぐらぐら揺れている。呆然と見ている前で、ゆっくり机から落下し、みごとに破損。
 泣く泣く近くの量販店に持っていったら、モニターを売ることはできるけど、引き取りはできないとのこと。引き取れるのは製造メーカーだけなので、取り扱っていない商品は代理で引き取れないとのこと。ヤマダ電機のプライベート・ブランドなので、ヤマダ電機まで行かないとだめだと言われ、23インチのモニターを荷台に積んで、往復20kmの自転車旅行。荷物がでかいので途中でパチや古本屋にも寄ることができない。モニター新品21,000円ろ想定外の出費となる。

 27日。旧職場おたく組の納涼会。待ち合わせ場所を間違えて合流までに2時間かかる。苦労話をいろいろ聞く。ニューミュンヘン、バー、カラオケ。

【読んだ本】17冊(内、漫8冊) 累計330冊(内、漫166冊)

 籐真千歳『スワロウテイル人工少女販売処』
 籐真千歳『スワロウテイル/幼形成熟の終わり』
 籐真千歳『スワロウテイル/人工処女受胎』
 籐真千歳『スワロウテイル/初夜の果実を接ぐもの』
 籐真千歳『θ−11番ホームの妖精』

 うち2冊は読み返し。SFM9月号のお仕事なので、★や評価ここでは保留。読んで損のない作品です。

 小野不由美『丕緒の鳥』★★★★
 ネタばれをします。前の2篇は再読なので、「十二国記」にしてはスケールが小さいのは予想済み。刊行自体を寿ぐ気分で軽く手に取る。
 予想以上に重い読み応え。作家としてのレベルが一段上がっていると感じた。小説としてよくまとまっているのだけれど、それでいて破格の構成で、それによってかえって物語の厚みを増している。
 「青条の蘭」は「走れメロス」でありながら、王の登場シーンがない。「風信」のラストは気象士たちが先の王が偽王なのを知る立場にあった事実を語ることなく仄めかす。人々の生きざまの前ではそんなことはどうでもいいのだと、欠落が、書かれなかった重い事実が強いメッセージ性をもつ。「落照の獄」が書かれたのは千葉法相の死刑執行論議のころであり、最初に雑誌で読んだ時、当時の生の議論をそのまま小説に昇華させるやりかたに、こんな方法があるんだと驚いた記憶がある。この書下ろしを踏まえた新作長編には、過去の「十二国記」をしのぐ傑作を期待してもよさそうだ。

 十文字青『聖断罪ドロシー(3)』★★
 暗転。物語の行く先を筆任せにしたようないいかげんさにある種の心地よさがある。でも小説としてはだめかも。

 茅田砂胡『トゥルークの海賊(2)』★★★
 ジャスティン・デイヴィス『天使に恋したら』

(漫)は
ジャンプ系の続篇物など。

 月の前半は「カルドセプト」、後半からは「真・女神転生W」に手を出し、読書量激減。

【買った本・拾った本】主な本20点内

 「書下ろし探偵小説全集」講談社全11冊函なし。セット1500円
 『木々高太郎全集(2)〜(5)』セット1050円
 石川喬司『魔法使いの夏』(早川SFシリーズ)300円
 ジュール・ヴェルヌ『海底二万リーグ』(早川SFシリーズ)250円
 海野十三『十八時の音楽浴』(早川SFシリーズ)350円
 E・E・スミス『宇宙のスカイラーク』(早川SFシリーズ)250円
 光瀬龍『カナン五一〇〇年』(早川SFシリーズ)350円
 ロバート・シェクリイ『人類の罠』(早川SFシリーズ)350円
 古川日出男『砂の王(1)』300円
 八木昇『大衆文芸館』500円
 サザランド・スコット『現代推理小説の歩み』500円
 スザンナ・クラーク『ジョナサン・ストレンジとミスター・ノレル(1)』105円
 山田風太郎『人間魔界図巻』500円
 アネット・カーティス・クラーク『銀のさじ』105円
 沢村凛『瞳の中の大河』105円
 須賀しのぶ『芙蓉千里』100円
 マイケル・カニンガム『星々の生まれるところ』315円
 ダンディン『十王子物語』(東洋文庫)268円
 A・モスタルト『オルドス口碑集』(東洋文庫)268円
 宮内悠介『ヨハネスブルクの天使たち』1575円 ※今月買った最高値

【株式成績・等】7月31日まで

 儲かっている株を売り払ったので、差引しての含み損は大幅増。月末の暴落で400万の損を抱える。ただし売買益とのトータルは先月末より少し改善。むしろ今回の暴落は9月権利株の絶好の買い場であると考えて、現在いろいろ物色中。
 この時期腹一杯買い込み、9月権利落ちで大半を売り払い、11月末に予想している大暴落を待って2月3月権利株を買い漁るのが現時点での短中期戦略である。11月末に外国投信の決算時期、来年度からの税率変更に伴う益出しの売り、アメリカの金融引締めが重なって大暴落が来るというのが戦略の要である。うまくいけばいいのだが。


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