みだれめも・出納記録 15年01

水鏡子


 新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
 ちょっと思うところがあって、仕切り直しをしようと3カ月休んでみました。
 その間になにか仕込みをするつもりだったのですが、結局なんにもしないで新しい年を迎えてしまいました。あいかわらず易きに流れるダメ人間です。
 今年から、「出納日記」は「出納記録」と名前を変えて、3か月ごとに記録していきます。残る2カ月をひとつをライトノベル、ひとつはその他いろいろをもとめてみようかと考えているのですが。

2014年総括

年初の目標:
@ 総支出300万円(定常費250万円、臨時経費50万円)以内
A 読破500冊
B 執筆200枚
C 書庫建設資金積立計画

●総支出額は2,409,479円。前年が2,401,796円なので、一応年間支出額は、結果的に250万円というラインで安定しているようにみえるが内実はわりと変動している。内、臨時経費にあたるものは、パソコンと空焚きした風呂の修理代14万円。13年はほとんど使うことがなかったものだ。
 まず14年の支出額には、4月の再就職で給与から天引きされている税及び年金保険料が含まれていない。13年の公的支払額が65万円あったものが、14年は43万円で済んでいる。天引き分を含めないのはおかしいのではないかとの意見もあるけど、収入から天引きされるものは支出額ではないと思っているからだ。天引きされた支払額が収入であると考えるからだ。実際、分離課税されている税額を支出に含めると、13年も14年も総支出額の半分が公的支払になってしまって、生活資金の把握という目的に馴染まなくなる。
 再就職がらみで大きく伸びたのが食糧費。昼食用弁当、ペットボトルなどで、前年より6万円増。コンベンション以外の飲み会も増えて、交通費+交際費(確定申告では取材費として計上)が10万円増。パチが4年ぶりに6桁のマイナスになって8万円増。一方、徘徊時間が減ったことと、収納不安が生じたことで、書籍購入費は42万円から26万円に大幅に減った。
それでも年金と4月から12月までの給与を合算すると、昨年の総支出額とほぼとんとん。今年は1月から3月までの給与分が上乗せされるのでそれだけ資産が増える目算になる。
 ちなみに過去4年間の推移をみると、2011年は退職した4月から12月までで2,990,991円支出した。9か月の支出としては大きく見えるが、前年所得に基づく住民税など公的支払を113万円払っているので、その部分を調整すると250万円内に収まっている。ただ、キッチン・リフォーム&第2書庫設置費用が発生しているがこれは別枠。
 12年は前年の支出額300万円を基準に生活したこともあり、1年間で2,906,688円。ただし、この年も11年1月―3月の退職前の所得部分の住民税がかかってきている。さらに11年、12年にかけては、家が生活の中心になることと、地デジ切替という事情もあって、仕事机、椅子、テレビ、パソコン、ブルーレイ、エアコン、冷蔵庫、ルンバなどを購入している。これだけ買っても合わせて50万円程度で済んでいる。
 生命保険、個人年金保険、などの任意保険の掛金が48万円含まれているので、それを差し引き、毎年繰り返している気もするけれど、こうしてみると、本を2,000冊買い、全国のコンベンションに顔を出し、毎週例会で大阪に行き、近隣各地で忘年会やら各種コンパを10数回、3泊4日のゲーム会を3、4回こなすといった優雅な生活を重ねても、税を含めた生活費用は200万で賄える。あくまで嫁さんと子どもと車が無くて、持ち家を確保しているという条件付きでの話だけれど。

●執筆200枚は「本の雑誌」と「サンリオSF文庫総解説」、「出納日記」でたぶんぎりぎり程度の達成。その他の仕事も加えて一応本業と意識すべき原稿料系収入は20万円を越えた。4年間で最高額。ただし「本の雑誌」の連載コラムが終わったので、今年は10万円を切る予定。

●書庫建設資金積立計画は不本意ながらかたち的には13年も目標額を達成できた。なぜ不本意かというと、株の売買益が一定額に到達したものの含み損が膨大なものになっていて、20.315%を徴収される売買益収入を、含み損株を損切りして圧縮する予定だったのだ。ところが出動時期が遅れたせいで、損切り予定の株の株価が差した値よりどんどん下がり、結局ほとんど損切り出来なかったのだ。一応売買益の額の方が含み損の額より大きいのだけど、徴収される税金を差し引くと、実質マイナスになる。かたち的に達成できたと表明する所以である。
 ついでにいえばそれらの株は、年末年初の暴落でさらに値を崩してどんどん含み損を拡大している。なんか去年の二の舞をしている。

●拾った本
 14年は2000冊を割り込む予定だった。だったのだが、この前紹介した閉店した本屋さんから300冊ほど頂いたこともあって、結局2,086冊と大台に載ってしまった。投資資金は286,758円。平均単価137円ということになる。

●読んだ本
 500冊読んだといっても、そのうちの7割はライトノベル。コミックが2割。コミックの比率が激減したのは、コミック用の書棚が満杯になって購入を手控えた側面がある。
 日本作家用の文庫棚が冗談で済まない事態になってきていることもあり、今年は拾う本の冊数が1,000冊を切る可能性がある。

○今年の目標
 昨年の年初の目標のうち、
 @総支出300万円(定常費250万円、臨時経費50万円)以内、
 B執筆200枚、
 C書庫建設資金積立計画
 は踏襲。
 ただA読破500冊は中止。かわりに昨年貰った難しめの本を30冊くらい読むことを目的に。ラノベ400冊読むより、たぶん難物。

○その他
 ハヤカワ文庫SFベスト10を投票する。
 いくつかの制限を課してみた。

  1. 長篇及びシリーズ5作、短篇集5作
    「冊」ではなく「作」としたのはシリーズの方はわかりやすいが、短篇集については原書を2分冊にして個別タイトルをつけたものを1作とカウントするため。≪ペリー・ローダン≫を入れるというのもそれなりに意味があるかもと一瞬考えたが、最初の5冊しか読んでいないのでパス。本当は短篇集だけで10作というのも考えたのだけど。それだったら『ふるさと遠く』なんかも選べるかなあとか思ったりした。
  2. 再刊は入れない。同じ作家の、再刊で収録されている作品よりいいと思えないものは選ばない。
    ハヤカワSFシリーズ、海外SFノベルズ、サンリオSF文庫などから再刊されたものを選ばないということ。ハヤカワ文庫SFで初めて本になったものだけを対象とする。
    そんなわけで『電気羊』や『お祖母さん』がいちばん好きな人間として、ディックやラファティは落ちてしまった。
  3. 名作よりも好きな本を。
    ということで、いくつか粒の小さな本を混ぜた。

THATTA 320号へ戻る

トップページへ戻る