みだれめも・出納記録
水鏡子
茹だる夏が続いております。
書庫の方は3月27日に完成、引き渡しを受け、4月29日にお披露目会を行いました。お披露目会には17名の参加を得て盛況を博しましたが、完成1ヶ月での本の並びはさすがに拙く、日本作家文庫本(全体の約三分の一、うち8割がライトノベルとなろう本)をなんとか作家あいうえお順に整理するのがせいいっぱい、残りは内容ブロック別に固めて放り込むことしかできませんでした。その後5月から6月初旬くらいまでブロックを組み直したり修正したりせこせこ並べては並べ直して棚の高さを上下する肉体労働を続けました。このあたり最初の書庫を作ったときも経験してきたところですが、今回もっとも楽しく悩んだのは、今持っている本を中心に並べていくか、10年先を意識して組んでいくかの贅沢なヴィジョンの選択。とりあえず全ての本を一列にして、隙間だらけという状態は至福の眼福。半分棚の奥行き調整のため揃えていた「図書」や「波」や「青春と読書」が堂々棚をひとつふたつ占拠している。とはいえさすがにテンションが維持できず、ここしばらくはまる一日触りに行かない日も増えて、整理はいまだ完了できておりません。
本を並べ終えたところで報告をと考えていたのですが片付きそうもないので、ネタが旬な間にまとめて出すことにしました。
建蔽率とセットバックという想定外の案件で床面積が縮小し、十万冊収納という当初の計画を維持するため、平行移動書庫2階建てという個人書庫としては極めて異例な建造物になったことは前回報告した通り。建設費が跳ね上がり、退職金を全額はたいた結果になったが、個人の書庫としてはかなり珍しいものに仕上がったようである。5月のSFセミナーでは大野万紀が持参したうちの書庫のスライド・ショーで、古本極道連たちと盛りあがった。実際このあたりの顔ぶれになると、個人宅での平行移動書庫の設置自体はまあ珍しくは(それほど)ないものの、2階建ては僕だけみたいで、所持する本のレベルでははるかに及ばないが、書庫では勝った。並んでいるのは100円本が8割で、十万冊が収納できて書籍購入価格と書庫の価格がはじめてイーブンになる計算だ。100s200s盗んでも、重くて嵩張るだけで、故買価格はたぶん一、二万円くらいにしかならないので、泥棒さんも怖くない。引き渡しを受けて数カ月、鍵もほとんど掛けずにいる。
ちなみに書庫をお願いした建築屋さんは、うちの第一書庫第二書庫をお願いした同じ業者さん。近所に住んでいる同志社SF研OB渡辺氏の新築時もぼくの紹介でこの業者さんが移動書庫を設置しているので、いわばこの地域で唯一の、個人宅での移動書庫設置経験者、専門家である。(たぶん)
さて、建築確認申請における問題がじつはもう一件。別建てではあるけれど軒を接して建ったので、一応別棟ではなく増築の扱いになった。これは居住地域の扱いになり固定資産税算定に有利に働きそうなのだが、増築である以上母屋の耐震設計も必要だという話が生じた。最終的に業者さんが法務局とかいろいろ駆けずり回ってなんとか許可が降りたのだが、一か月近く遅延した。
庭を潰すのは建築許可と関係ないということで先行して更地作業に入ったのだが、許可が下りなければ、庭は消える建物は建たないという事態も可能性としてはあったのである。
書庫の荷重については、業者さんもメーカーさんも慎重に対応してくれた。ボーリングによる地質調査、掘り起こしコンクリートを敷き詰めた基礎土台、一階の天井と二階の床になる部分には60cmの梁が10数本張り巡らされ、1m近い厚みの空間になった。
基礎の土台工事を見たときにすごいものができるんだと思ったのだけど、とんでもないものを頼んでしまったと実感したのは、足場が組まれた時。高さ6mの倉庫というのは半端でない。設計図面はもちろん見ていたのだが、実際に組み上がるまで高さはイメージできていなかった。しかも窓がひとつもない。かなり異様だ。当然近所で話題になった。
出口が玄関の外開きのドアしかない。これはドア口に何かが置かれたり引っかかったりしてドアが開かなくなったら外に出られなくて餓死するのではないか。慌てて、警報機の設置をお願いする。もし、外に出られなくなったら、音を鳴らして近所の人に通報するわけである。結構笑えるネタだけど、出来あがってみると、白い壁にアクセントになる赤い警報機は不法侵入者用のセンサーみたいで泥棒よけになりそうだ。盗っても100円本なわけだけど。
業者さんも設計時点で失敗があって、母屋の側の足場の空間を計算に入れ忘れていたようで、屋根が邪魔して足場が組めず、瓦を一度剥がす作業が発生した。足場撤去のあとは当然原状回復が必要で、ほかにもいくつか計算違いがあっり、予算的に結構きつめになったとのこと。
最初に書庫を作った時、何ヶ月かかかって2階にあった本を1階に移動した。そんな記憶があったので今回もその延長で作業を想定していたら、ひさしぶりに例会に顔出しした翻訳家の古沢に「あほちゃうか」と馬鹿にされた。引越し屋を使うものだと。
庭に建てたものに母屋の本を移すのに、そんな使い方があるのかと目からうろこでググってみると、なるほど同一敷地内移動という項目がある。マンションの一室から一室への引越しなどのケースにあたるようだ。
さっそく近隣の引っ越し業者に大手から順に電話を入れるが受け渡し日が引っ越しシーズンのピークでけっこう断られる。それでも中堅どころがみつかって見積もりに来てくれることになる。
ちゃんと3万冊と言ったんですけどね。本というのは重いんですよね、想像以上の量ですねえ、とか言いながら、書架に2列にぎゅう詰めの本のかさは意外とコンパクトに見えたようで、しかも母屋から書庫まで最短10m、2階から2階でも30mの距離しかない。ざっと眺めてとっても甘く見積もられ、作業員4人の半日半日二日間、丸めて10万円を呈示された。若干ぼったくったと言わんばかりの顔つきでの金額提示だった。
いや、詰めて運んで並べ直して半日半日は無理じゃないですかと、ちゃんと言いましたよ。でも、いやいや大丈夫ですと断言された。
絶対無理だと思ったけれども、そうですか、それならお願いしますということになり、とりあえずダンボールを貰って何箱分か玄関口に積み上げておくことになった。
さて、でっかい書庫を作ることを吹聴しまくったところ、知り合いから、自分のところの倉庫を縮小するので、処分予定のアメコミその他を欲しいならあげようかという話があって、1も2もなく飛びつく。届いたダンボールが16箱。薄いコミックストリップが中心なので二千冊強というところ。 スターウォーズや日本のコミックの英語版など、貰った本を内容別に整理して、詰め直すのに3日くらい潰れた。
さて、引き渡しを終えた次の日に、引越し屋さんがやってきた。
玄関に積み上げたダンボールは25箱。そのうちの半分以上は貰ったばかりのアメコミ類。これを書庫に運び込み、取りだしたところで初日が終了。書架に並んだ本の移動はほぼ手つかず。
晩になって電話がかかってくる。2日は無理な状態なので、毎回2時間程度顔出しして、ちょびちょび運ぶということでもいいかとの話で、金額部分が変わらないならお任せすると返答する。次に、詰めるのと取りだすのをそちらでやってもらうことはできないかという話になって、それは無理だろうと。ただ、書架の棚の高さがレディメイドなため高さの合わない本をどう置いたらいいか作業員が悩んで機械的に処理できないきらいがあって、それが初日3,000冊しか運べない一因にもなったので、取りだす方はこちらでやることで了承した。どっちみち一旦置いたものもすべて並べ直す必要がある。
引っ越し作業は最終的に、2週間、延200時間かかった。50箱ほどのダンボールを使い回すので、ぼくも取り出し作業で汗まみれになる。取り出し作業がペースダウンしたら、ダンボール不足で作業が滞るのだ。運び込まれたダンボールを作業員が帰った夜の間もごそごそ並べていくのはそれなりに重労働。頼んだ仕事の段取りに支障がないよう頑張らなければいけないわけで、そういう点でも引越しのスピードがあがってよかった。ひとりでやっていたらもっとたらたらしていただろう。
本を取り出すだけではない。取り出した本を並べるために棚の高さを調節する作業もある。むしろこっちのほうがきつい。翌日に作業員がくるまでに箱を全部開けて次の本を入れることができるようにしておく。重労働ではあるものの、とりあえずブロック単位でごちゃごちゃに並んだ本なので、後日の並べ替えではまた大幅に棚の調節をすることになる。これはまあ想定済み。たらたらやってまだ終わらない。
ちなみに引っ越し作業というのは、かりに延100時間かかっても、そのうち何割かはA地点からB地点まで荷物を運ぶ運送時間。作業員的には拘束されているだけのいわば休養時間であるわけで、うちの作業の200時間は全てが実作業時間である。過酷な体験だったろうなと正直思った。
引越しが終わって見積り通りの請求書を受け取り、確認したら、やっぱり大赤字だったそうだ。ちょびっと申し訳なかったので、少しばかり心付けを上乗せた。
書架の高さは220p。A5判(SFマガジンなどの雑誌のサイズ)が2列に収納できる奥行36cmの書棚は1列9段、文庫本新書本が2列に収納できる奥行24cmの書棚は11段で発注していた。
220cmの書架は固定棚で以前にも4列作っていて、そのとき文庫棚は12段設置していた。一回り大きなハヤカワ・トールサイズと徳間デュアル文庫だけは新書サイズの棚に移さざるを得なかったがそれ以外の文庫はすべて滞りなく収まっていた。ちなみに基本サイズの高さ180cmの書架には10段の文庫棚を設置していた。
注文の11段というのは文庫本棚を12段にして、残りを新書本や単行本用に9段10段に変えていく計算で、文庫量が多い構成上、たぶん棚数が足らなくなって、第1書庫第2書庫のものを補填してくる予定でいた。
ところが、想定外の事案が発生する。
前回前々回と同じメーカーの製品なので、考えてもいなかったのだが、今回の製品は仕様変更がなされていたのだ。色合いが明るくなり、側板がセパレーツになり、棚板本体も含めて若干の軽量化がなされているようだ。書架異動の面で改善されたのだろう。
しかし、書棚の厚みが2mmほど増えていた。これが問題だった。不具合と言っていい。
一見たいしたことがないようだけど、棚の高さが2mm減ったということで、これまですんなり入っていた大多数の出版社の文庫本が棚の折り返し部分にかすかにひっかかる。新潮、文春、筑摩、集英社、光文社、ハヤカワ、サンリオ、徳間、大手出版社のもの、つまり文庫本の標準サイズのものが軒並みこすれてかすかながらたわんでしまう。以前の棚ではぎりぎり入っていた宝島社の「このライトノベルがすごい文庫」は完全にアウトでハヤカワ・トールサイズの仲間入り。支障がなかったのは、若干丈の短い岩波文庫、講談社文庫、創元文庫と角川グループだけである。それでもかなり余裕がない状態である。皮肉なことに怒涛の増殖を続けているラノベ系は大半が後者の出版社のものなので、日本作家文庫棚はとりあえずぎりぎり12段の設置を行うことにする。しかし翻訳系は悲惨である。
文庫本用の高さの棚に標準サイズの文庫本が引っかかるというのは、書架としてはこれはやっぱり不具合に当たるだろう。あと1mm、いや0.5mm薄ければ、宝島社はだめだけれど他の文庫本は問題なく出し入れできるはずである。一応メーカーには報告しているので、たぶんほどなく改善されることだろう。
すべての本を1列に並べることができる当面は、両脇の折り返し部分にダブリ本でかましを入れることで、取り出すときにひっかかるのと、押し込むと奥の折り返しにひっかかるので背板に当てることができなくて並びが不揃いになることに目を瞑れば、まあ、なんとか対応できる。しかし、いまは両脇の折り返しを考慮するだけで済んでいるけど、将来的に本が増えて2列に収納するようになった時点では、棚の前後の折り返しとも折り合いをつけなければならない。側柱の固定用の穴を広げるしかない。ひとつ穴を広げるというのは、新書サイズの高さになるということで、220cmの高さがあっても9段しか作れない。180cmの書庫で作っていた文庫棚より1段少なくなる勘定だ。
まあ、そうなれば、収納力は激減(文庫本で1万冊減)するものの、書庫の景観はそれなりに優雅になり、ハヤカワ・トールサイズの分離収納も必要なくなる。
でも、その結果、取り外さるを得なくなる百本を越える書棚はいったいどうしたらいいんだろう。
引っ越しした本を並べ直していると、古い文庫本とかで経年劣化でシミが広がってるものが目につく。困ったもんだと思いながら並べていくと、シミらしきものが何冊にも渡って連続した模様を作っている。これってシミじゃなくてカビじゃないのか。大慌てでチェックしていくと、ホーガン、ハリスン、ハインラインやヴァーリイ、ヴァン・ヴォークト、ゼラズニイなど特に前書庫の一定部所、一定出版社に集中している。
心当たりはしっかりとある。
最初の書庫を作った時、業者さんもまだ手探りで、書庫の荷重を支えるためにはレール部分にコンクリートの橋桁をしっかり作れば大丈夫と考えていた。第2書庫からは床下全面にコンクリートを敷き詰める形に変えた。さて、この他の部分は土質で橋桁部分だけがコンクリートだったせいでないかと思われるのだが、ある日気がつくと棚の本が水気を吸ってごわごわしていた。コンクリートの橋桁が土中の水分を吸い上げたようなのだ。慌てて除湿機を稼働させる。いやあ、もともと除湿機は設置してあったんですけどね。雨も降ってないので関係ないだろうと勝手に思って、ランニングコストの電気代をケチっていたわけです。全面的に自分のミスです。除湿機稼働でほとんどの本がもとにもどったのだけど、なぜか創元文庫だけがごわごわが残った。他社とカバーのコーテングの仕方がちがうらしい。そしてそのとき残った水分がカビの繁殖を助長し、周囲の他の本にまで広げたようなのである。とくに2列にならべた奥側に収納していたものの被害が激しい。前面の本が邪魔をして除湿の空気に触れる面積が少なかったためだろう。ここでも、いちばん被害の少なかったのはラノベ系である。カバーのイラストやコーテングを販売戦略上重視した仕様がプラス面に作用した。
とりあえず、被害の大きなものを隔離することにしたのだが、その時点で持っていた創元文庫は多かれ少なかれ傷がある。うちの翻訳系文庫で創元だけを切り離したのでは、本の並びは相当いびつなことになる。ハヤカワにはトールサイズという別の困った問題があるわけだし。
最初、作家ABC順で並べていた翻訳系文庫だったが、ここで大きな並べ替えを決断する。
まず隔離ブロックとして2列12段。汚染の激しいものを上部3段に固めて、下部9段は創元文庫を配置する。
残りの文庫は一応作家ABC順だが、1列11段にして下部6段にはトールサイズを含めたハヤカワ文庫を、上部5段は他社を並べることにした。
まだ迷いはある。やっぱり作家で固めるべきか。その場合、ハヤカワの段数を増やしてハヤカワ文庫の作家の横に他の出版社の同じ作家の本を並べるのが妥当と考えるのだが、その場合、一番横に並べなければならないのが隔離した創元本だというジレンマが残るのだ。
そういうふうにいろいろ悩んだりしている。
エロゲーが百箱ほどある。PC98時代のものなど、98もないし、FDドライブもないし、持っててもなあ、と思うのだけど、とりあえずスペースもあるし攻略本と一緒に並べることにして、2階の押し入れから取り出す。ゲームの台座にしていたのは大きなダンボール。持ち上げるとめちゃくちゃ重い。なにが入っているのだろうと、開けて見ると、「ワークブック」「空科小」「ミルクソフト」といったファンジンの山。こんなとこに置いていたんだとちょっと感激する。
問題は保存状態。屋根に近く使っていない2階の部屋は、寒暖、湿気がもろに響く。押し入れに突っ込んだダンボールは梅雨時とかで湿気がこもり、水気を吸い込み、そのあと夏場に熱波でうだる。除湿のない部屋でそれを毎年繰り返してきたわけで、けっこうかびている。質の悪い紙を使っている分かびやすい。意外なことに日にあたっていないので、青焼きファンジンの印刷がほとんど劣化していなかった。
ダンボールはけっこうやばいのではないかと見て思った。かびその1はぼくの特殊事情だが、この、かびその2は、本の置き場に困って実家に送りつけている人間に共通した問題ではなかろうか。心当たりの皆さまは、一度確認されることをお勧めする。
同じ押し入れに入っていたのだから、FDもかびて劣化している公算が強い。強いのだが、パソコンもFDドライブもないので、よくわからないので一応無視しておく。
湿気のある場所でのぎゅう詰め状態、かびの菌が付着して、空気に触れなくなった部分の通気性の悪さのなかでの繁殖、拡大ということが主たる理由のようである。
対処の仕方を調べると、密閉した空間で菌の飛散を防ぎながら1冊1冊エタノールで拭き取っていくのだという。すげえたいへんそう。
どうやら貴重な単行本の話のようで、100円単位の数百冊の文庫本に対する処理としては手間ひまがかかりすぎる。初版ということにこだわらなければ、ブックオフで同じ本を買い替えるのが一番効率的である。中高校生の時に買った本を捨てることには心が痛むわけだけど。
問題は帯である。ブックオフで買い替えても、ほとんど帯はついてない。そしてブックカバー以上にかびに痛めつけられているのがコーテングのなされていない帯なのだ。
実際創元文庫と一緒に並んでいたハヤカワ文庫もそれなりに汚染被害にあってるわけだが、本体が比較的無事なものでも、帯はひとしく汚染されてる。防止するには捨てることが最善なのだが、帯も本の一部と思うところもあって捨てる踏ん切りがつかない。帯に誤植のある本なんて、本体に誤植のある本よりも或る意味貴重なのである。
さて、カビの菌の飛散の問題だが、どう考えても引っ越し作業の流れの中で、新しい書庫全体に既に飛散している。これをなんとかしなければいけなくないか。
まず、思いついたのが、風呂場で使用する防カビくん煙剤。ドラッグストアでエタノールと一緒に買い込んで、店員に相談する。水蒸気の噴霧だから本にはよくないと思いますよと言われる。まあ、それでも、本が移動して空っぽになっている第一書庫には使用できた。
ネットで調べると本のカビ取りをしてくれる会社があったので、電話をしてみる。
親身に相談に乗ってくれるが、基本的には検索で調べたものと同じ方法。人力作業であるので、やはり相当高額で、覚悟していた20万円程度の予算では賄いきれない。本来の不安である飛散してしまった菌の除去の問題には役立たない。どんな書庫か一度見せてもらいましょうか、と言ってもらえて、どう考えても金額的にお願いできそうもないので、断ったけど後学のためにと言われて承知した。
なんと4人もお越しいただき、驚愕される。やっぱりすごいものらしい。
もともと、本業がファイリング・メーカーで移動書庫も扱っている。
建築費は、自社のものより安くあがっていて、メーカーも信頼できる、渋い選択であると評価を貰えた。引っ越し費用の10万円には、その場で積算して、うちなら70万円ですねと笑っていた。
本の汚染はたしかにあるけど、空調がきちんとできているので、広がることはそんなに心配しなくてもいいとのこと。この保証がいちばんありがたかった。カビ防止のくん煙は、水蒸気くん煙でなくガスくん煙でやっているので本にダメージを与えず行っているが、この規模の書庫だと100万円単位になるとのこと。あっさり断念できる数字だった。
とりあえず3万円のカビとりキットを購入し、いずれは暇を見てごしごしやってみるつもり。
本をどんなかたちで並べているか、肝心のところにほとんど触れていないけど、トピック的にはこんなようなところです。小説やコミック類はだいたい落ちついたのだけど、ノンフィクション系各種の揃え方にはまだまだ迷いが続いています。